設立趣旨
当会は昭和62年、理研とゆかりのある企業が相寄り、基礎研究において多数の実績を持つ理研と産業界とが広く交流を持ち科学技術の一層の社会還元を図ることを目的に、「理研と親しむ会」として設立されました。さらに、設立30周年となる平成29年、理研と産業界とが切磋琢磨し、互いに発展することを目指した会へと発展するために名称を「理研と未来を創る会」としました。
当会設立以降、30年を超える長い歴史の中で、理研との親交を深めながら、活動の定着化、規模の拡大が図られた。加えて、国立開発法人の我が国の社会経済発展への貢献が強く求められる今日、当会の社会的意義は高まっています。当会の永続性の担保、信用力の強化、透明性の確保が必要であることは会員一同が賛同するところ、この度、「一般社団法人理研未来革新アライアンス」として法人化し、その活動をより強化、活発化させます。
新型感染症拡大、気候変動、国際情勢の悪化や付随する安全保障問題といった地球規模の課題解決が求められる現代において、知識集約型社会へのパラダイムシフトが急速に進行しています。その機を捉え、「一般社団法人理研革新アライアンス」は理研の源流、100年を超えて受け継がれる「理研精神」を現代的に一層発展させ、産業界と理研との交流を活発化させつつ、人類社会の課題の解決に貢献する新たな産業を協力して創造していく原動力となることを目指します。
一般社団法人理研未来革新アライアンスの源流
第三代所長 大河内 正敏
理化学研究所は約100年前の1917年(大正6年)に、科学技術振興のため、国および渋沢栄一はじめ産業界の協力のもと、財団法人として我が国で初めての民間の自然科学総合研究所として創立されました。1921年に大河内 正敏が第三代所長になると主任研究員制度を発足させ独自のアイデアをもとにした科学史にも特筆される多数の発明が相次ぎ、これらを実用化する会社が続々登場し、「理研コンツェルン」と呼ばれる「理研産業団」を形成しました。理研コンツェルンは、ピーク時には実に63社、工場数は121に達しました。多数の研究成果ごとに会社を設立し、実用化に結びつけたこれだけの規模の会社群を一研究機関が設立した実績は、欧米にも例がありません。
「理研コンツェルン」を形成した会社群から100年を経て今日に受け継がれている会社として、陽画感光紙の理研光学工業から発展した(株)リコー、ピストンリング業界の雄である理研ピストンリングから発展した(株)リケン、ビタミンAの発明から発展した理研ビタミン(株)、光学式ガス検定器や光弾性実験装置から発展した理研計器(株)など多数の会社があります。
1987年(昭和62年)9月に、このような理化学研究所とゆかりのある企業が相寄り、基礎研究において多数の実績を持つ理化学研究所と産業界とが広く交流を持ち科学技術の一層の社会還元を図ることを目的に、「理化学研究所と親しむ会」を設立いたしました。以来1988年(昭和63年)3月を皮切りに、毎年理化学研究所の役員、研究者等の方々と、企業の経営者及び幹部の皆様との交流を深める場として、「理化学研究所と親しむ会」は、その役割を着実に果たしてきました。
また、2017年に設立30周年を迎えるに当たり、新たなる30年先を見据え、「親しむ」から理化学研究所と産業界とが切磋琢磨し、互いに発展することを目指した会へと拡充するために会の名称を「理研と未来を創る会」へ改定し、活動を展開してまいりました。
そして、研究開発法人の我が国の社会経済発展への貢献が強く求められる今日、当会の社会的意義は高まり、会の永続性の担保、信用力の強化、透明性を確保すべく、2024年「一般社団法人理研未来革新アライアンス」として法人化し、その活動をより強化、活発化させました。
沿革
1987年 9月 | 「理化学研究所と親しむ会」を設立 初代会長:太田幹二(科研製薬株式会社 取締役会長) |
1988年 3月 | 第1回「産業界との交流会」を開催(266社391名 出席) |
1993年 9月 | 第1回 講演会・見学会を開催 |
1995年11月 | 第1回 小サークルセミナー開催 |
2002年 5月 | 会長:曽根博(理研ビタミン株式会社 相談役) |
2003年 11月 | 小サークルセミナーを賛助会員参加可能なセミナーに拡大 |
2004年 5月 | 会長:小口邦彦(株式会社リケン 特別顧問) |
2007年 9月 | 理事会員企業・賛助会員企業などの寄付により、理研和光キャンパス内に理研-産業界連携ギャラリー開設 |
2008年 5月 | 会長:堺美保(理研ビタミン株式会社 取締役社長) |
11月 | 第1回 分野別技術交流会開催(以後2010年まで) |
2012年 5月 | 会長:小泉年永(株式会社リケン 取締役会長) |
2014年 5月 | 会長:桜井正光(株式会社リコー 特別顧問) |
2017年 4月 | 理化学研究所創立百周年記念事業において、創立百周年記念交流会を理研と共同で開催 会員企業から百周年タイムカプセル事業に参画 |
5月 | 会長:近藤史朗(株式会社リコー 取締役会長) |
7月 | 事業の見直しとともに「理研と未来を創る会」に名称変更 |
2020年5月 | 会長:岡野教忠(株式会社リケン 名誉会長) |
2022年5月 | 会長:足立正之(株式会社堀場製作所 代表取締役社長) |
2024年10月 | 一般社団法人理研未来革新アライアンス設立 会長(代表理事):足立正之(株式会社堀場製作所 代表取締役社長) |